SXSW Expo(展示会)完全ガイド:最新テクノロジーの宝庫

Creative Industries Expo – SXSW 2024 – Oscar Moreno

こんにちは、SXSW Japanの高橋です!今回は、SXSWの大人気イベント「SXSW Creative Industries Expo」についてご紹介します。このイベントは、2025年から「SXSW Expo」に名称が変わり、さらにパワーアップして開催されます。最新のテクノロジーやクリエイティブなアイデアが集結するこのイベントの魅力を、詳しく解説していきます。

SXSW Japan / Researcher
高橋功樹

 

Expoの概要

SXSW Expoは、クリエイティブ産業全体を網羅する展示会で、最新のテクノロジー、デザイン、インタラクティブメディア、エンターテインメント、スタートアップなど、さまざまな分野の企業が集結します。このExpoは、イノベーションとインスピレーションが交差する場所であり、来場者は最新の製品やサービスを体験できるだけでなく、業界のリーダーたちと直接交流する機会も得られます

規模と参加者数

2024年のCreative Industries Expo(2025年にはExpoという名称に変更)には、4日間でバッジホルダーが約5万人訪れ、最終日のパブリックデー(バッジを持っていない人も入れる)には約2万人が地元テキサスから訪れました。

2025年の開催日程

2025年のSXSW Expoは、3月9日から12日まで、午前9時から午後4時まで開催されます。この4日間で、さまざまな業界の最前線に触れることができます。

 

 

①名称の変更

これまで「SXSW Creative Industries Expo」として知られていたこのイベントは、2025年から「SXSW Expo」に名称が変更されますこの変更は、Expoがさらに広範囲のクリエイティブ産業をカバーし、多様な参加者や出展者を迎える場として進化することを意味しています。

 

②新しいコンセプト

名称変更とともに、展示内容やテーマも拡充されます。特に、テクノロジーとクリエイティブが交差する分野での新しい試みが期待されています。来場者は、より幅広い業界の最新トレンドを一度に体験することができるでしょう。

 

SXSW Expoでは、5つの特設パビリオンが設置され、それぞれが異なるテーマに焦点を当てています。これらのパビリオンは、展示会場の中で特に注目されるエリアです。

1.イノベーションパビリオン(Innovation Pavilion)

イノベーションパビリオンでは、最先端のテクノロジーやスタートアップ企業が集まり、未来を切り拓く製品やサービスを紹介します。人工知能(AI)、ブロックチェーン、クリーンテックなど、次世代の技術が展示される予定です。

2.グローバルパビリオン(Global Pavilion)

グローバルパビリオンは、世界中から集まった企業や組織が、各国の文化や技術を紹介する場です。ここでは、日本を含むさまざまな国の企業が出展し、国際的なビジネスチャンスを模索します。

3.ソーシャルインパクトパビリオン(Social Impact Pavilion)

ソーシャルインパクトパビリオンは、環境保護、人権、社会的課題に取り組む企業や団体が集まるエリアです。持続可能な開発目標(SDGs)に関連するプロジェクトや、社会貢献活動に焦点を当てた展示が行われます。

4.エンターテインメントパビリオン(Entertainment Pavilion)

エンターテインメントパビリオンでは、映画、音楽、ゲームなど、エンターテインメント業界の最新トレンドが紹介されます。クリエイターやアーティストが集まり、インタラクティブな展示やパフォーマンスが行われる予定です。

5.健康・ウェルネスパビリオン(Health + Wellness Pavilion)

健康・ウェルネスパビリオンは、健康管理やウェルネスに関する最先端の技術や製品を紹介するエリアです。デジタルヘルス、フィットネステクノロジー、栄養学に関連する展示が行われます。

     

     

    SXSW Expoでは、毎年多くの注目企業が出展し、話題を呼んでいます。ここでは、過去3年間で特に注目を集めた海外企業と日本企業を3社ずつご紹介します。

     

    海外企業

    Innovation Award Winner at the SXSW Expo – SXSW 2024 – Photo by Aaron Rogosin
    Innovation Award Winner at the SXSW Expo – SXSW 2024 – Photo by Aaron Rogosin
    • Enchanted Tools(2024年)
      人間とコミュニケーションを取れる人型のロボットで、顔の部分だけがスクリーンになっていて表情が変化する。キャラクターの表情にはペットのような愛らしさがあり、ロボット特有の不気味さを感じさせない点からか、特に最終日には多くの子ども達が一緒に写真を撮っていた。
    • World View Enterprises(2022年)
      巨大な気球によって大気圏まで上昇する事で商業宇宙旅行を実現するプロジェクト。展示会場では旅行者が乗り込む宇宙船のモデルが実際に設置され、内部を見学できるブースには長蛇の列ができていた。
    • WEHEAD(2023年)
      ビデオ通話の相手の顔を表示する変わった形をしたモニター。表情や動作の変化を疑似的に表すことで、リモートワークのコミュニケションで失われがちな要素を補ってくれるという。

    日本企業

    ヤマハ発動機株式会社とヤマハ株式会社(体験型アート作品) "What revs your heart and makes waves?"
    ヤマハ発動機株式会社とヤマハ株式会社による “What revs your heart and makes waves?”-2023年
    • ZOZO NEXT(2022年)テクノロジーとファッションの融合した未来をテーマに、等身大のモニターに来場者のバーチャルなアバターを作り出し、様々な洋服を試着させて楽しむという新しいファッション体験や、環境温度によって色が変化する新開発のテキスタイル素材の展示等を行いました。
    • YAMAHA(2023年):バイクのヤマハ発動機と、楽器のヤマハの共同プロジェクトを出展。2人1組でゲーム感覚の音楽体験ができるデバイス(楽器)の初披露を行い、実際に体験した多くの来場者からのフィードバックを得ていました。
    • Honda(2024年)重心移動によって移動する椅子型のモビリティUni-Oneと、独自のXRコンテンツを組み合わせたゲームが体験できる試乗を実施。モビリティとXRの掛け合わせは、SXSWならではの融合領域の事例として注目されました。

     

     

    5. 効率的に回るためのコツ

     

    プランニングが鍵

    SXSW Expoは非常に広大で、短時間で全てを回るのは難しいです。そのため、事前にどのパビリオンやブースに行くかを計画しておくことが重要です。公式サイトやアプリを活用して、見たい企業やセッションをリストアップしましょう。

    オフピーク時間を狙う

    最も混雑する時間帯を避けることで、ゆっくりと展示を見ることができます。午前中やランチタイム前後の時間帯が比較的空いているため、その時間帯を狙うと良いでしょう。

    ネットワーキングを積極的に

    Expoはただ展示を見るだけでなく、ネットワーキングの場でもあります。最近では展示会の商談の場にビジネスカードを交換する場面も多々あります。名刺を多めに持参し、興味のある分野の出展者や参加者と積極的に話をしましょう。英語に自信がなくても、簡単な挨拶や質問から始めれば、会話が広がることが多いです。 

    休憩を取りながら

    広い会場を一日中歩き回ると疲れてしまうので、適度に休憩を取りましょう。会場内には休憩スペースやカフェもありますので、そこでリフレッシュしながら次の展示に備えると良いでしょう。

     

     

    SXSW Expoは、最新のテクノロジーとクリエイティブなアイデアが集結する一大イベントです。2025年からは新たな名称のもと、さらに多くの分野が参加し、より広範なテーマが扱われる予定です。この記事を参考にして、効率的に会場を回り、SXSW Expoを最大限に楽しんでください。皆さんのご参加を心よりお待ちしております。

     
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