【レポート】出展者が語る、SXSWの現場と戦略@SXSW2025報告会

こんにちは!SXSW Japanの高橋です。


3月に開催されたSXSW2025には、日本から約800名の皆様にご参加いただきました。SXSW Japanでは4月に国内での報告会イベントを、東京・京都・名古屋の3都市で開催。実際にSXSW2025に参加された方から、それぞれの体験や学びをシェアしていただくパネルセッションを企画しました。

本記事では東京で開催された、展示会への出展者によるパネルセッションの様子をレポートします。

SXSW Japan / Researcher
高橋功樹

出展者が語る、SXSWの現場と戦略。「出すだけで終わらせない」挑戦とは?

 

2025年のSXSWを終え、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された報告会イベント「Road to Austin|2026年の出展・出演を目指そう」。本レポートでは、イベントの柱のひとつとなったパネルセッション①「出展者パネル」の様子をお届けします。

 
壇上に並んだのは、2025年のSXSWに実際に出展した3名のキープレイヤー。それぞれ異なる業種・規模・目的でSXSWに挑んだ彼らの話は、「出展すべきか悩んでいる」「どう準備すればいいかわからない」という人にとって、リアルで実践的なヒントが詰まったセッションとなりました。

 


登壇者紹介

 

  • 永山知実 氏(TBSテレビ/技術開発部門 テクニカルエバンジェリスト)
     映像×テックで“体験型ブース”を展開。TBSのSXSW出展は3年目、自身は2年目の参加。
  • 増澤諒 氏(将来宇宙輸送システム株式会社/事業開発)
     SXSW初出展。宇宙技術をカルチャー層に届けたチャレンジャー。
  • 川田遼平 氏(カシオ計算機株式会社/新規事業開発担当)
     楽器アプリ×展示で、SXSWならではの“ライブ感”に対応。
     

モデレーターはSXSW Japan の宮川が務めさせて頂き、会場はシェアされる出展ノウハウに集中して耳を傾けていました。

 

 

TBSテレビ|「見る」から「体験する」へ。SXSWでの“伝え方改革”

 

SXSW出展3年目を迎えたTBSテレビ。永山氏が率いる技術開発チームは、毎年“テレビ局らしからぬ展示”で話題を集めています。
今年のテーマは、「コンテンツを“伝える”から“体験させる”へ」。

展示内容は大きく3つ:

 

  • 世界的に人気の『SASUKE(Ninja Warrior)』をVR体験化。競技者の視点で挑戦できる没入型展示。
  • アニメ『地縛少年花子くん』と連動したAR体験で、グローバルなファン層に向けたインタラクティブコンテンツを展開。
  • 映像伝送ソフト「ライブマルチスタジオ」の業務用デモも同時に実施し、制作関係者にも刺さる展示構成に。

「展示は“入口”。その先の体験まで設計するということが大事だと思います」(永山氏)

 

コンテンツ紹介にとどまらず、「技術・エンタメ・国際展開」という3つの軸をうまく絡めた構成は、まさにSXSWならではの“多層的な出展戦略”の好例でした。

  


 

将来宇宙輸送システム|“技術”より“世界観”が刺さるSXSWで得た気づき

 

宇宙技術という一見ニッチな分野から出展したのが、スタートアップの将来宇宙輸送システム株式会社。増澤氏は、人工衛星のコンセプトモデルを軸にした展示を通じて、意外な手応えを得たと語ります。

 

「正直、技術を売り込む場だと思っていたんです。でも、SXSWでは“コンセプトが面白いかどうか”が反応を左右する。ミュージシャンやアーティストが『それ、クールだね!』と寄ってきてくれるのが新鮮でした」(増澤氏)

 

実際の展示ブースは、直前にスペース拡大が叶った“ラッキー枠”でした。

 
「直前に狭い10×10(3m四方)から倍の広さになりました。短期間でのレイアウト再設計とクリエイティブ準備は困難を極めましたが、結果として多くのメディアと来場者に恵まれました。」

 

さらに、出展とは別に実施したブランド戦略に関するセッション登壇が、ブース集客にも直結。
 

「SXSWは展示とセッションを組み合わせることで、“ストーリーで人を引き込む力”が高まる」と、展示設計の新しい視点を得たと語りました。

   


 

カシオ計算機|「アプリ×楽器」の可能性を、SXSWの“音”で試す

 

新規事業開発チームとして出展したカシオ計算機の川田氏は、“アーティストに体験してもらう”という姿勢でブースを構築。

 

  • 展示されたのは、自社開発のスマートフォンアプリと電子楽器のプロトタイプ。
  • その場で演奏可能な環境を整えたことで、来場者が自然に演奏に参加し、ブースが「ミニライブ会場」に。

 「SXSWでは、“人が集まり、賑わっているブース”に人がさらに集まってくるんです。“触ってみたくなる展示”が最強だと、改めて実感しました」(川田氏)

 

演奏者の多くはSXSWに出演するアーティストたち。自然発生的な“出会いと反応”が、まさにSXSWならではの価値でした。

 BBCや現地メディアの取材も入り、プロダクト検証+広報+ネットワーキングの三拍子が揃う成果に。
 

「展示がゴールではなく、“動き出しの第一歩”だった」と語る川田氏の言葉が、印象的でした。

   


 

まとめ:SXSWは“展示”だけじゃない。「関係」と「次」をつくる場所

 

SXSWは、展示の場ではなく、関係性と未来をデザインする場
登壇者たちのリアルな声からは、SXSWの持つポテンシャルと、「どう使いこなすか」という戦略思考が見えてきました。

 

2026年のSXSWに挑戦してみたい人へ。
今回の出展者たちの声は、あなたの計画にきっと役立ちます。

SXSW Japanでは、来年度の出展・参加に関する方のための情報を今後も順次公開予定です。
少しでも気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。次にオースティンで出展するのは、あなたかもしれません!

 


 

📝 レポート:パネルセッション②「TTT × ZIPAIR」学生の挑戦と未来の出発点もぜひご覧ください。


SXSWは、言葉では表現しきれないほどの情熱とエネルギーに満ちた場所です。
ビジネスパーソン、アーティスト、その他どんな人にとっても宝の山のような場所です。
ここでの経験とつながりが、あなたの人生に新たな飛躍をもたらすでしょう。
SXSWでの体験は、一生忘れられないものになります。
創造性と夢を共有し、未来を共に作り上げましょう。

ぜひ、SXSWに足を運び、その素晴らしい世界を体験してみてください。
あなたの想像を超えた感動が、きっと待っています。