【SXSW London 2025】「まだ名前のない未来」がここにある──SXSW London 2025分析レポートが描く“交差する世界”とは?

sxswlondon ショーディッチ

こんにちは、SXSW Japanの宮川です。未来を見通すFuturist(未来予報®︎の専門家)として、私は常に新しい技術やアイデアの可能性に目を向けています。SXSWについては13年続けて参加しており、独自のレポートを毎年書いています

2025年6月、SXSWが初めてロンドンに上陸しました。
その体験は、私たちが思い描いてきた「未来予測」のフレームを、根底から静かに覆すものでした。

都市の構造、文化の境界、技術と制度の矛盾──。
すべてが交差し、摩擦のまま提示される。
そこにあったのは、整えられた答えではなく、「まだ名前のない問い」の連なりでした。

その全貌をまとめた公式日本語レポート『SXSW London 2025 分析レポート』を公開しました。
全9章+付録。77ページに渡ってFuturistの視点からフィールドワークと観察から浮かび上がる「未定義な未来のかけら」を、丁寧にすくい取っています。

Director of SXSW Japan
Futurist / SXSW Official Speaker

宮川麻衣子

Director of SXSW Japan
Futurist / SXSW Official Speaker

宮川麻衣子

1. SXSW Londonは、なぜ新しい交差点なのか?

Beautifull Collision(美しい衝突)の起こる場所

2025年6月、SXSWがロンドンに上陸。
初開催となったSXSW London 2025は、世界中からクリエイター、起業家、アーティスト、行政、研究者が集まり、「まだ名前のない未来」をめぐる議論と実験が行われました。

しかし日本からの参加者は、オースティンに比べて極めて少数。「気になっていたけど行けなかった」「情報が全然出てこない」という方も多いのではないでしょうか?

そこでSXSW Japanでは、全77ページにわたる日本語での分析レポートを制作しました。
都市・AI・カルチャー・規範・ブランドなど、SXSW Londonが見せた「交差する未来」の全体像を、現地取材とFuturist視点で一冊にまとめています。

オースティンが「対話と発火の舞台」、シドニーが「アジア太平洋の接続点」だとすれば、ロンドンは「構造と構造がぶつかる場所」、つまり未完の交差点のような場所でした。

●ロンドン東部ショーディッチを舞台にした多拠点分散型フェス

●都市空間そのものがメディア化される街×体験の融合設計

ここでは、ジャンルも制度も明確に区切られていません。
すべてが「混ざりながら、何かに変わろうとしている瞬間」でした。

2. レポートで描いたのは、「敢えての整わなさ」の中にある未来

今回のレポートでは、単なるハイライトやトレンド紹介では終わりませんでした。インスパイアされ書くことがたくさんあり77ページの量となってしまいました!
SXSW Londonから見えた「整っていない風景」の向こう側にある未来を、ひとつずつ拾い上げて書いています。

🔍 SXSW Japan 公式|SXSW London 2025 分析レポート― 欧州から立ち上がる未来戦 ―

📘SXSW Japan公式レポートでわかること(内容の一部)

📖SXSW Londonとは何だったのか?
– “拡張し続ける衝突の装置”としての新たなSXSWの位置づけ

🌐 AI・医療・都市・ケアの交差点
– 「創造性とは誰のものか?」「共に生きる医療とは?」など現地で議論されたキーテーマを深掘り

🎶 音楽と社会構造の編集戦略
– ディアスポラと多文化共生を可視化するポップの構造的意義

🧠 セッションレビュー(10選)
– Deepak Chopra, Jane Goodall など思想家・活動家たちの発言をFuturistが分析

📦 出展・スポンサー戦略
– Canva, Converseらのブランディング手法、アート展示との連動設計なども解説

💼 産業別ガイド(全7業種)
– スタートアップ/都市開発/製造業/IT/医療/広告/エンタメ など、自社企画への応用視点も収録

👀こんな方におすすめです

SXSW Londonに行けなかった方(特に、オースティン経験者)
企画・マーケティング・新規事業部門の方
海外カルチャーやアート思考をビジネスに取り入れたい方
都市開発/医療/ブランド戦略に関わる方
未来の社会構造や価値観の変化に敏感なクリエイター

Austinが巨大なセッションと展示の洪水だとすれば、Londonはむしろ問いの集積所でした。

  • AIは創造性を奪うのか、拡張するのか?
  • 誰が「ケアされる側」で、誰が「設計する側」なのか?
  • 都市の再開発で削られた「生傷」は、何を語るのか?

SXSW Londonは、これらの問いに明確な答えをくれるわけではありません。ただ、曖昧なままの余白や葛藤を、あえてそのまま残してきました。

整っていない。だからこそ、本気の再考が始まる。
そんな問いを引き取る体験が、ショーディッチで起きていました

3. SXSW Japanが考える「ロンドン的未来予報」とは?

SXSW Londonが提示したのは、予測や整理ではとらえきれない、構造化できない未来との向き合い方でした。

それは、単なるコンテンツや技術トレンドではありません。
むしろその反対に、「整わなさ」「未完」「交差」に価値を見出す思想が、都市・セッション・展示のすべてに貫かれていたのです。

✔︎ 複数の価値観が共存する都市

ショーディッチを舞台としたSXSW Londonは、「正しさの一元化」ではなく、「相容れない価値観が同居する都市」そのものをメディアにしていました。

そこでは、再開発の傷跡と多文化の共存が、塗り直されることなく露出し、意味が揃っていない都市こそが未来の実験場となっていたのです。

✔︎ 正解なき創造性とケア

AI、医療、福祉、ジェンダー──SXSW Londonのセッションは「誰の創造性か?」「ケアとは誰の責任か?」という根源的な違和を隠しません。

「正しさ」ではなく、「ずれ」や「未定義」の中でどう共に存在するか。創造性やケアを設計ではなく共存の試みとして捉える視座が提示されていました。

✔︎ 解体と再編集を繰り返す公共性

SXSW Londonでは、文化施設、教会、クラブ、ラウンジ、屋上庭園といったあらゆる空間がセッション会場となり、「公共とは何か?」を問い直すフィールドとして機能していました。

それは単なるイベント会場ではなく、語り直しを可能にする都市的インフラだったと言えます。

✔︎ ブランドは「伝える」から「交差する」へ

CanvaやConverseなど、先鋭的なブランドの出展は、「メッセージの一方通行」ではなく、「意味の未完性」を受け入れた交差点としてのブランド体験を体現していました。

SXSW Londonにおけるブランディングとは、解釈が揃わないことを前提とした新しい企業の語り方の模索でもありました。

🎯 なぜ今回のレポートが価値を持つのか?

SXSW London 2025は初開催なので、情報発信は極めて限定的。日本からの参加者も少なく、公式情報も断片的です。

だからこそ、「行けなかった人」のための未来翻訳装置として、このレポートの存在価値は際立ちます。

  • 「SXSW Londonって結局何だったの?」
  • 「海外の先端事例を自社企画に活かしたい」
  • 「未来トレンドの思想的背景を理解したい」

そんな方にこそ、この77ページは刺さるはずです。


SXSWは、言葉では表現しきれないほどの情熱とエネルギーに満ちた場所です。
ビジネスパーソン、アーティスト、その他どんな人にとっても宝の山のような場所です。
ここでの経験とつながりが、あなたの人生に新たな飛躍をもたらすでしょう。
SXSWでの体験は、一生忘れられないものになります。
創造性と夢を共有し、未来を共に作り上げましょう。

ぜひ、SXSWに足を運び、その素晴らしい世界を体験してみてください。
あなたの想像を超えた感動が、きっと待っています。


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