FIELD GUIDE|OVERSEAS INSPECTION
SXSW Expoは、「異なる業界の未来が同じフロアに並ぶ展示会」です。
テクノロジー、デザイン、ヘルス、ソーシャルグッドなど、異なる領域の企業・スタートアップ・組織が一つの場所に集まり、製品を見るだけでなく、デモや体験を通じて出展者と参加者の会話が生まれます。
この記事では、2027年の開催情報と、SXSW Japanが現地で見てきた展示事例から、一般的な展示会との違いやSXSW Expoを見るポイントを解説します。
SXSWへの視察を考えている方にも、Expoへの出展を検討している企業・団体にも、全体像をつかむための入口としてご覧いただけます。
文:SXSW Japan 高橋功樹
SXSW Expoとは?
SXSW Expoは、SXSW期間中に開催される展示イベントです。SXSW公式は、テクノロジー、デザイン、Social Good、Health + Wellnessなど最先端の領域が交差し、世界各国の出展者が集まる場として紹介しています。
会場に並ぶのは、完成した商品だけではありません。新しいサービス、研究開発中の技術、インタラクティブな体験、地域や国によるパビリオンなど、展示の形もさまざまです。
そのため、「最新製品を効率よく比較する展示会」というより、これから社会に出てくる技術や体験に触れ、出展者と直接話しながら可能性を探る場所として見ると、SXSW Expoの特徴がわかりやすくなります。
02 / SXSW 2027
SXSW 2027 Exhibitions 開催概要
SXSW 2027は、2027年3月15日〜21日に米国テキサス州オースティンで開催されます。そのうちExhibitionsは3月15日〜19日の開催予定です。
SXSW 2027
MAR 15–21
Austin, Texas
EXHIBITIONS
MAR 15–19
2027 official schedule
EXHIBITIONS
3 TYPES
Expo / Flatstock / XR Experience
EXHIBIT SPACE
56,000 SQ FT
SXSW official figure
SXSW公式サイトでは、2027年のExhibitionsについて10カ国の参加、56,000平方フィートの展示スペースなどの数字も掲載されています。詳細は開催に向けて更新されるため、最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。
03 / WHAT MAKES IT DIFFERENT?
一般的な展示会と、SXSW Expoは何が違う?
SXSW Expoを理解するときに重要なのは、「最新技術の展示会」とだけ捉えないことです。SXSW全体が複数の産業とカルチャーを横断するイベントであるため、Expoにもその性格が表れています。
01
出展業界が一つではない
AIやロボティクスだけでなく、デザイン、ウェルネス、エンターテインメント、地域産業など、異なる領域の展示が隣り合います。自分の業界だけを見ていると出会えない発想が見つかるのが特徴です。
02
「見る」より「体験する」
プロダクトを並べるだけでなく、実際に触る、乗る、遊ぶ、試すといった体験型の展示が多く見られます。技術そのものだけではなく、「その技術によってどんな体験が生まれるか」を伝えるブースも少なくありません。
03
展示の外側にもSXSWが続いている
同じ参加者がConference、Pitch、Film & TV、Music、街中のイベントにも移動します。Expoだけで完結せず、異なる文脈を持つ人と接点が生まれやすいこともSXSWならではです。

04 / 3 EXHIBITIONS
2027年のSXSWには、3つのExhibitionsがあります
2027年のSXSW公式サイトでは、Exhibitionsを「SXSW Expo」「Flatstock」「XR Experience」の3つとして案内しています。目的も展示内容もそれぞれ異なります。
SXSW EXPO
SXSW Expo
企業、スタートアップ、組織などによる製品、サービス、技術、アイデアの展示。テクノロジー、デザイン、Social Good、Health + Wellnessなど幅広い領域が集まります。
FLATSTOCK
Flatstock
世界各地のポスターアーティストが集まるアート展示・販売イベント。手刷りの限定ポスターやグッズを、制作したアーティスト本人から購入できます。
XR EXPERIENCE
XR Experience
VR、AR、Mixed Realityなどを使ったイマーシブ作品を体験する展示。テクノロジーだけではなく、映画・アート・ストーリーテリングが交差するSXSWらしい領域です。
05 / OBSERVED IN 2026
2026年、現地で見えたSXSW Expoの変化
2026年は、Austin Convention Centerの建て替えに伴い、展示会がFairmontなど周辺会場へ移動した特殊な年でした。メインの展示はInternational InnovationsとEmerging Techに分かれて開催され、従来の巨大な展示フロアとは異なる、よりコンパクトな環境になりました。
SXSW Japanが現地で観察していて印象的だったのは、展示内容の幅と、「体験」を入り口に会話を生む設計です。
2026年に見られた展示の例
- NTTドコモ「FEELTECH」:ハプティクス技術を使い、VTuberのライブを身体感覚とともに体験するデモ。
- 愛知県 / STATION Ai:SoraMaterials、ICOMA、MonoRevoなど地域のスタートアップをまとめて紹介。
- DNA Hairtools:プロ向けヘアツールを、来場者が実際のスタイリングとして体験。
- TooFar Media:小説の物語世界を、音楽・アニメーション・ビジュアルアートを組み合わせたイマーシブ体験として展示。
- Networking Area:展示を見るだけでなく、Braindateを使って共通テーマに関心を持つ参加者同士が出会う仕組みも導入。
2026年は会場変更という特殊条件がありましたが、ここからも「ブースに物を置くだけではなく、体験・会話・ネットワーキングまで含めて展示をつくる」というSXSW Expoの性格がよく見えました。
06 / FROM THE ARCHIVE
SXSW Japanが見てきた、体験型展示の例
SXSW Expoでは以前から、日本企業も「説明する」だけではなく、来場者が実際に試せる体験をつくってきました。過去にSXSW Japanが現地で見た例を3つ紹介します。

2022
ZOZO NEXT
ファッションとテクノロジーの未来をテーマに、来場者のアバターをつくって服を試着する体験や、環境温度で色が変化する新素材などを展示しました。
2023
YAMAHA
ヤマハ発動機とヤマハによる共同プロジェクト。2人1組でゲーム感覚の音楽体験ができるデバイスを披露し、来場者が実際に体験しながらフィードバックを返す展示になっていました。
2024
Honda
重心移動で操作する椅子型モビリティ「UNI-ONE」とXRコンテンツを組み合わせ、来場者が実際に乗って遊べる体験を提供。モビリティとXRの融合を身体で理解できる展示でした。
POINT
共通しているのは「試せること」
技術のスペックを説明するだけでなく、来場者が体験し、その場で反応や会話が返ってくる。SXSW Expoで展示を考えるときの重要な視点です。
07 / HOW TO EXPLORE
SXSW Expoを見るときのポイント
全部を効率よく回ることだけを目標にするよりも、「何を持ち帰るか」を決めつつ、偶然の発見が起こる余白を残しておくのがおすすめです。
- 「絶対に見たいもの」は1〜2個だけ決める見たい展示を詰め込みすぎず、その間を歩きながら予想外の展示にも立ち寄れる時間を残します。
- 見るだけでなく、触る・試す・話すデモを体験し、なぜこの展示をしているのかを出展者に聞くと、技術の背景や市場への仮説まで見えてきます。
- 自分の業界以外を見るSXSW Expoの面白さは、異なる領域が同じ場所にあること。直接関係がなさそうな展示ほど、自分たちの前提を変えるヒントになることがあります。
SXSW Expoでは、「何が流行っているか」だけではなく、「なぜ今これを見せようとしているのか」を考えてみてください。 展示物そのものよりも、その裏側にある社会の変化や、新しい顧客像が見えてくることがあります。
FOR EXHIBITORS
SXSW Expoへの出展を検討している企業・団体へ
SXSW Expoでは、日本企業、スタートアップ、自治体・団体なども出展できます。
一方、企業としてSXSWに参加する方法はExpoだけではありません。スポンサーシップ、独自イベント、ブランドアクティベーション、Networkingなど、目的によって複数の選択肢があります。
まず全体像を知りたい方は、企業向け出展・活用ガイドと資料をご覧ください。



