SXSW Londonとは?|2回の開催から見えてきた、LondonらしいSXSW

SXSW JAPAN GUIDE|SXSW LONDON

2025年、SXSWが初めてEuropeへやってきました。開催地はEast LondonのShoreditch。Austinで育ってきたSXSWがこの街に入ると、どんな姿になるのか。初開催前から追いかけ、実際に2回の開催を見てきたことで、少しずつLondonらしさが見えてきました。

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この記事の最初の版を書いたのは、SXSW Londonがまだ一度も開催されていなかった2025年1月です。

SXSW Japanのオンライン説明会で、発表されていた会場やプログラムを見ながら、「LondonではどんなSXSWになるのだろう」と話しました。

その後、2025年の初開催、2026年の2回目を経て、当時は予想だったことの中にも、実際にLondonの特徴として見えてきたものがあります。今回は、その変化も含めて改めて紹介します。

最初に気になったのは、Shoreditchという場所でした

SXSW London 初開催前のオンライン説明会資料

2025年1月、初開催前に行ったSXSW Japanのオンライン説明会より。

SXSW Londonの開催地として発表されたのは、East LondonのShoreditchでした。

The Truman Breweryを中心に、音楽会場、劇場、ギャラリー、クラブなど、街の中にある既存の場所を使ってプログラムが広がります。

もともとスタートアップやデザイン、Music、Fashion、Artなどが近い距離で共存している地域です。

初開催前の説明会でも、この「場所」がかなり気になっていました。

Austinでも街を歩きながらConference、Music、Film、企業イベントを行き来します。

Shoreditchにも、違う種類の店や会場や人が、もともと隣り合っている。

SXSWが入ってくることで、その街の中にどんな新しい動線が生まれるのか。London版を見る最初の手がかりは、そこにありました。

SHOREDITCH

会場から会場へ歩くあいだにも、
Londonの普段の街が続いている。

実際に始まってみると、初年度だけで25,000人以上が集まった

2025年6月2日から7日まで、最初のSXSW Londonが開催されました。

公式発表による初年度の参加者数は25,327人。

34の会場で、500以上のConference Session、110以上のScreen作品、500以上のMusic Artistsによるプログラムが展開されました。

SXSW LONDON 2025|FIRST EDITION

25,327
初年度の参加者数

34 VENUES
ShoreditchとEast London周辺に展開

500+ CONFERENCE SESSIONS
Technology、Business、Science、Cultureなどを横断

110+ SCREEN / 500+ MUSIC ARTISTS
Conferenceと同じ街の中でFilm、TV、Musicも同時進行

数字だけを見ると、大きな国際Festivalが一つ増えたようにも見えます。

現地で面白かったのは、そのプログラム同士の距離でした。

AIについて話していた人が、少し歩けばMusic Showcaseにいる。

Filmの関係者とTechnologyの人が、同じカフェやイベントスペースにいる。

Artsの展示を見たあと、そのままBusinessのセッションへ向かう。

こうした「隣り合い方」に、Londonの個性がよく出ていました。

Technologyの話をしていても、すぐ隣にCultureがある

SXSW Londonの特徴を紹介した説明会資料

初開催前から、LondonではArtやFashionなどのCreative Industriesが強く出てくるだろうと考えていました。

実際に始まってみると、TechnologyとCultureが別々のプログラムとして並んでいるというより、その境界を行き来する場面が多くありました。

AIを扱うSessionでも、話は労働や表現、Media、社会へ広がります。

MusicやScreenを見ても、配信、権利、AI、Audienceとの関係など、BusinessやTechnologyの話が自然に入ってきます。

一日を一つのTrackだけで過ごすより、Conferenceの合間にFilmを見たり、夕方からMusicへ行ったりしたときの方が、London全体の輪郭が見えてくることがあります。

CREATIVE INDUSTRIES

Technologyを見に来たつもりが、
CultureやArtの話を持ち帰ることもある。

AustinとLondonでは、同じSXSWでも一日の感覚が違う

Austinへ長く参加してきた私にとって、Londonでまず違って感じたのは、街のスケールと移動の感覚でした。

Austinでは、大きなConvention Centerを中心に、Downtownの広い範囲へプログラムが伸びています。

HouseやBrand Activationまで追いかけ始めると、一日の移動距離もかなり大きくなります。

LondonはShoreditchの中に既存の小さな会場が多く、道を一本曲がると次のプログラムがある。

その間に、普通に営業している店や街の生活があります。

AustinではSXSWによって街全体が大きく姿を変えている感覚があります。

Londonでは、すでに存在しているShoreditchの文化の中へ、SXSWのプログラムが入り込んでいるように感じる場面がありました。

同じ名前のFestivalでも、都市が変わると一日の過ごし方から違ってきます。

2年目には、London自身が少し形を変えた

初年度を終えたあと、SXSW Londonは2026年にいくつかの変更を加えました。

会場はTruman Brewery周辺へより集約され、Sessionは長くなり、Q&Aの時間も組み込まれました。

Conference、Screen、Music、Visual Artsも、一つのProgrammeとして回りやすい構成へ整理されています。

Networkingについても、Meetupや専用スペースなど、偶然の出会いだけに任せない仕組みが増えました。

初年度に実際に人を入れてみて、歩きにくかった場所や、もう少し話したかったSessionが見つかった。

そして2年目に、その経験がProgrammeや街の使い方へ返されている。

始まったばかりのSXSW Londonを見ている面白さの一つは、Festivalそのものがまだ変化しているところにもあります。

A FESTIVAL STILL TAKING SHAPE

初開催でできた形を守るより、
実際に開催しながらLondonに合う形を探している。

Londonで歩いていると、こんな関心がつながってきます

SXSW Londonを見ていると、「この人向けのイベント」と職種で分けるのが少し難しく感じます。

一人の人の中にも、いくつかの関心が重なっているからです。

INTERESTS THAT OFTEN CROSS

AI × CREATIVE INDUSTRIES
AIそのものの性能だけでなく、Music、Film、Design、Media、広告などに入ったときに何が変わるのか。

BUSINESS × CULTURE
新しい市場を探すことと、その土地の文化や価値観を理解することが近いところにある。

TECHNOLOGY × SOCIETY
技術の発表だけでなく、仕事、都市、政治、教育、生活へ入ったあとの議論まで続いていく。

JAPAN × EUROPE
日本で作っている事業や作品を、Europeの人たちがどんな文脈で受け取るのかを見る。

CITY × FESTIVAL
Programmeだけでなく、街、会場、地域の文化とFestivalがどう混ざっているかを見る。

この中に自分の気になっていることが二つ、三つあると、Londonを歩く一日もかなり変わってきます。

予定していなかったProgrammeへ入ってみたら、自分の仕事と意外なところでつながる。

SXSWらしい体験は、そんな瞬間にも現れます。

2025年1月には、まだ全部が予想でした

最初のオンライン説明会を開いたとき、私たちが持っていたのは発表資料と会場予定、そしてAustinを長く見てきた経験でした。

LondonにはArtやFashionが強く出るのではないか。

Shoreditchの街がFestivalの一部になるのではないか。

Europeから人が集まることで、Austinとは違う会話が生まれるのではないか。

そんな話をしていました。

2回の開催を見た今、その予想のいくつかは実際の風景として見えるようになりました。

一方で、初年度と2年目でも会場構成は変わっています。

London版のSXSWがどんなFestivalになるのかは、まだ出来上がった答えというより、開催するたびに少しずつ輪郭が濃くなっている途中なのだと思います。

SXSW JAPAN NOTE

AustinからLondonへ場所が変わると、
同じSXSWでも、隣り合うものが変わる。
そこから見えてくる未来も、少し違ってきます。