SXSW JAPAN GUIDE|NETWORKING

高橋 功樹|Koki Takahashi
SXSW Japan / Researcher
SXSWに初めて参加すると、どうしても「何を見るか」に目が向きます。でも、現地で過ごしてみると、予定表には載っていない時間が意外と重要だったことに気づきます。
セッションの隣に座った人。上映を待つ列。Houseで同じテーブルになった人。Meet Upで話しかけてきた人。
SXSWでは、「何を見るか」と同じくらい「誰と出会うか」が、その後に残ることがあります。今回は、SXSWに用意されている人と出会う仕組みと、初参加でも使いやすい現地での動き方を紹介します。
ABOUT THIS ARTICLE
この記事は、2024年に公開した「世界中と繋がるチャンス!SXSWミートアップで最高の成果を出す人脈術」を、現在のSXSWのプログラムと参加方法に合わせて全面改訂したものです。
元記事では過去のMeet Up事例や、LinkedIn、エレベーターピッチなど一般的なネットワーキング方法を中心に紹介していました。今回は、Meet Ups、Mentor Sessions、ClubhousesなどSXSWにある「人と出会う仕組み」を整理しながら、現地で実際にどう動くかに重点を置いて再編集しています。
01|そもそもSXSWのMeet Upとは?
SXSWのMeet Upsは、共通する業界、テーマ、関心を持つ参加者同士が集まるネットワーキングプログラムです。通常は1時間程度で、登壇者の話を一方的に聞くセッションとは違い、参加者同士が話すこと自体が中心になります。
テーマが決まっているので、「知らない人ばかりの場所で、何を話せばいいのか分からない」という人にも比較的入りやすいのが特徴です。
SXSW JAPAN’S NOTE
「ネットワーキングしたいけれど、どこへ行けばいいか分からない」という初参加者なら、まず自分の関心に近いMeet Upを1つスケジュールに入れてみるのがおすすめです。
02|SXSWには「人と会う場所」がいくつもある
ネットワーキングの機会はMeet Upだけではありません。SXSWのプログラムそのものに、人と話すためのさまざまなフォーマットがあります。
| 場所 | どんな場? | こんな人に |
|---|---|---|
| Meet Ups | 共通のテーマや属性を持つ参加者同士が交流 | 同じ関心を持つ人と広く会いたい |
| Mentor Sessions | 業界の専門家と1対1で話せる短時間のセッション | 特定分野の専門家に相談したい |
| Clubhouses | Innovation、Film & TV、Musicなどのコミュニティ拠点 | 同じ領域の参加者と自然に交流したい |
| Workshops / Core Conversations | 参加型・対話型のConferenceプログラム | テーマについて深く話したい |
| House / Social Events | 企業・国・地域などが街中で開催するイベント | セッション以外でも幅広く人と会いたい |
つまり、「ネットワーキングの時間」だけを探す必要はありません。
セッションで話を聞く、Workshopで一緒に考える、Clubhouseへ立ち寄る。その行動自体が、人と会う入口になります。
03|初参加なら、まずMeet Upを1つ入れてみる
数万人が参加するSXSWの街中で、いきなり知らない人へ話しかけるのは簡単ではありません。
Meet Upなら、そこにいる時点で「AI」「音楽産業」「スタートアップ」「映画」「デザイン」など、何かしら共通するテーマがあります。
最初の一言も、難しく考える必要はありません。
FIRST QUESTION
“What brought you to this meetup?”
なぜこのMeet Upに来たんですか?
これだけでも、相手が何をしている人なのか、何に興味があるのかという会話へ自然につながります。
04|自己紹介は「30秒」より、まず1文
元記事では、「30秒〜1分のエレベーターピッチを用意する」と紹介していました。これは今でも役に立ちます。
ただ、実際の会話では最初から30秒話し続ける必要はありません。それよりも、自分が何者なのかを英語で1文にしておく方が使いやすいです。
ONE-LINE INTRODUCTION
“I’m Koki from SXSW Japan. I research SXSW and emerging trends in technology and culture.”
SXSW JapanのKokiです。SXSWやテクノロジー、カルチャーの新しい動きをリサーチしています。
ここから相手が興味を持ったことを聞いてきたら、少し詳しく説明すればいい。自己紹介を「プレゼン」ではなく「会話の入口」と考えると、かなり楽になります。
05|LinkedInは「交換するもの」ではなく、翌日につなぐもの
SXSWへ行く前に、LinkedInのプロフィールは英語で最低限整えておくことをおすすめします。
ただし、その場でConnectして終わってしまえば、数日後には「この人、誰だったっけ?」となってしまいます。
おすすめは、会った日の夜か翌朝に短いメッセージを送ることです。
FOLLOW UP
“Great meeting you at the AI meetup yesterday. I really enjoyed our conversation about ___.”
何について話したのかを一言入れておくだけで、お互いに会話を思い出しやすくなります。
06|実は、Meet Up以外で会った人の方が残ることもある
ここまでMeet Upの使い方を紹介してきましたが、SXSWで人と会う場所は公式のネットワーキングプログラムだけではありません。
セッションが始まるまでの列、会場から会場へ歩いている途中、House、ライブ、朝食。SXSWでは街中を大勢の参加者が移動しているので、日常なら接点のない人と自然に会話が始まる場面があります。
しかも、こういう場面では相手の肩書きを知らずに話し始めることもあります。
SXSW JAPAN’S NOTE
「今日は5人と名刺交換する」と決めて歩くより、面白いと思ったら隣の人に話しかけてみる。そのくらいの方が、SXSWには合っているかもしれません。
07|SXSWで人に会うための、出発前チェックリスト
- LinkedInの英語プロフィールを更新する
- 自分を説明する英語を1〜2文用意する
- 会いたい「人」だけでなく、興味のある「テーマ」を3つ決める
- 自分の関心に近いMeet Upを最低1つチェックする
- Mentor Sessionsも確認する
- 朝から夜まで予定を埋めない
- 会った人へ連絡する時間を翌朝に少し残しておく
特に最後の2つは意外と重要です。予定を詰め込みすぎると、誰かと話が盛り上がっても「次のセッションがあるので」と切り上げることになります。
「誰に会うか」は、全部決めなくていい
SXSWへ行く前は、どうしても「誰と会うべきか」を考えます。
もちろん、会いたい人がいるなら事前に連絡しておく方がいいです。目的のあるMeet UpやMentor Sessionも、予定に入れておいた方がいい。
でも、後から思い出す人は、予定表に入っていなかった人だったりします。
同じMeet Upに来ていた人。隣の席だった人。ライブの感想を話した人。
会いたい人を決めておく。でも、会う人を決めすぎない。
そのくらいの余白を残しておくと、SXSWという場所を少し使いやすくなると思います。
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文:高橋功樹 / SXSW Japan / Researcher
元記事:「世界中と繋がるチャンス!SXSWミートアップで最高の成果を出す人脈術」
2026年9月 再編集



