SXSW JAPAN GUIDE|MENTOR SESSIONS
SXSWのScheduleを見ていると、「Mentor Session」という少し変わったプログラムが出てきます。大きな会場で話を聞くSessionとは違い、こちらは業界の専門家と15分間、1対1で話す時間です。
ABOUT THIS ARTICLE
この記事は、2024年に公開したSXSW Mentor Sessionsの紹介記事を、現在の公式情報に合わせて再編集したものです。Mentor Sessionでは実際にどんな時間が流れるのかを見ていきます。

Mentor Sessionは、15分間の1対1
SXSWのMentor Sessionsでは、さまざまな業界で働く専門家と参加者が1対1で話します。
一人あたりの時間は15分。
Mentor Session全体は75分間で、ひとりのMentorが最大5人の参加者と順番に話す形式です。
Conferenceで数百人と一緒に話を聞いていた人と、その後は同じテーブルで直接話せる。
そんな距離の近さが、このプログラムの特徴です。
MENTOR SESSION|AT A GLANCE
1 ON 1
参加者とMentorが直接話す形式
15 MINUTES
一人の参加者に用意される面談時間
75 MINUTES
ひとつのMentor Session全体の時間
UP TO 5 ATTENDEES
一人のMentorが順番に最大5人と面談
15分と聞くと、かなり短く感じます。
実際、長い自己紹介をしていると、それだけで数分が過ぎます。
一方で、相談したいことが一つ見えていると、15分でもかなり具体的な会話になることがあります。
15 MINUTES
すべてを相談する時間というより、
一つの問いを、経験の違う人に渡してみる時間。
どんな人がMentorになっている?
Mentorは、Music、Film & TV、Startups、Technologyなど、それぞれの分野で実務に関わっている人たちです。
たとえばMusicなら、A&R、Management、Publishing、Streaming、Music Techなど。
Film & TVでは、制作、脚本、Casting、Distributionなど。
年によって顔ぶれは変わり、その年のScheduleには、それぞれのMentorの所属や専門分野、どんなテーマの相談と相性がよいかが掲載されます。
名前を知っている著名人を探すというより、自分が今考えていることと近い経験を持つ人をScheduleから見つけていく感覚です。
15分で、どんなことを話す?
これまで参加者の話を聞いていると、相談内容はかなり幅があります。
WHAT PEOPLE TALK ABOUT
今つくっているものについて
プロダクト、サービス、作品について話し、外からどう見えるかを聞いてみる。
海外へ出すときの入口について
市場、Distribution、Partnershipなど、自分の次の動きと近い経験を聞く。
キャリアについて
これから進みたい分野で働いている人に、その仕事へどう入ったのかを聞く。
まだ整理しきれていない問いについて
自分では答えが出ていないことを、その業界を長く見ている人に投げてみる。
何かを売り込むために使う人もいれば、今の仕事について相談する人もいます。
アドバイスをもらうことより、「その問いなら、まずここを考えた方がいい」と視点を一つもらうだけで、その後の動きが変わることもあります。
最初の数分は、自分の状況を渡す時間になる
15分の会話なので、Mentorは参加者のことをほとんど知らない状態から始まります。
そこで最初に、
「今こういう仕事をしています」
「こんなものを作っています」
「今、この部分で迷っています」
くらいを話します。
相手が状況をつかむと、そこから質問が返ってきます。
予定していた相談とは違うところを聞かれることもあります。
その質問が、自分では気づいていなかった前提を見つけるきっかけになることもあります。
A SIMPLE START
「私はこういう人です」より、
「今、ここで少し迷っています」から話すと、会話が始まりやすい。
質問を一つ持っていると、15分を使いやすい
旧記事では「効果的な質問の仕方」を5種類に分けて紹介していました。
実際には、そこまで型を作らなくてもいいと思います。
たとえば、今開発しているサービスについて話すなら、
「このサービスをアメリカで説明するとしたら、どこが一番わかりにくく見えますか?」
作品を海外へ持っていきたいなら、
「この分野で海外のAudienceに最初に知ってもらうなら、どこから接点を作りますか?」
キャリアについて話すなら、
「今の自分の経験から、この仕事へ近づくとしたら、何が一番つながりそうですか?」
くらいでも会話は始まります。
質問をいくつも消化するというより、一つの話をして、その答えから次の質問が生まれる。
15分だと、そのくらいの速度が自然です。
英語は、長く話すより「状況」と「問い」が伝わればいい
英語で1対1と聞くと、そこが一番気になる人もいます。
ただ、Mentor Sessionはスピーチをする場ではなく、会話です。
最初に伝えたい内容を2〜3文くらい英語で用意しておくと、その後は相手からの質問に答えながら進めやすくなります。
プロダクトを見せたいなら、写真やWebサイトを開いておくのも会話の助けになります。
言葉だけで説明し続けるより、一緒に何かを見ながら話した方が早いこともあります。
ScheduleでMentorを探す時間も、意外と面白い
SXSWのScheduleでは、Formatから「Mentor Session」を探せます。
各ページには、Mentorの所属、専門分野、開催時間、アクセスできるBadgeなどが掲載されます。
年やSessionによって参加条件や予約方法が変わることがあるため、実際の参加時にはその年の公式Scheduleで確認します。
Scheduleを眺めていると、自分が知らなかった職種や会社の人を見つけることもあります。
「この人に会いたい」と思ってからSXSWへ行くケースもあれば、一覧を見ている途中で「このテーマについて話してみたい」と自分の関心に気づくこともあります。
A POSSIBLE 15 MINUTES
最初
自分が何をしているか、今どこで考え込んでいるかを簡単に話す。
真ん中
Mentorから質問が返ってきて、予定していなかった方向にも会話が広がる。
最後
印象に残った一つの言葉や、次に調べてみたいことを持って席を立つ。
15分で答えが出なくても、その後に残るものがある
15分で仕事の悩みが解決したり、事業の方向が決まったりするとは限りません。
むしろ、帰り道にもう一度考えたくなる質問をもらうことがあります。
「誰のために作っているんですか?」
「なぜ今、その市場なんですか?」
「その強みは、本当にそこですか?」
経験の違う人から聞かれると、普段なら流していた問いが少し違って聞こえることがあります。
その一言を持ったまま次のSessionへ行ったり、別の人と話したりする。
Mentor Sessionの15分は、SXSWの一週間の中では短い時間ですが、その後の一日へ続いていくことがあります。
SXSW JAPAN NOTE
15分で答えをもらうというより、
自分だけでは出てこなかった問いを、一つ持ち帰る。
SXSWには、大勢で聞くKeynoteやPanelもあれば、Meetupのように参加者同士で話す時間もあります。
その中に、15分だけ一人の専門家と向き合うMentor Sessionがある。
同じConferenceでも、情報を受け取るだけでなく、自分の仕事や問いを持ち込める時間が用意されています。
Scheduleを組むとき、興味のあるMentorを一人探してみると、Sessionを聞いて回るのとは少し違うSXSWが見えてきます。
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