SXSW JAPAN REFERENCE|STARTUPS
毎年3月、世界中から選ばれたスタートアップがAustinのステージに立つ「SXSW Pitch」。数分間のピッチと審査員とのQ&Aを通じて、まだ広く知られていない技術や事業が世界へ紹介されます。日本からもこれまで複数のスタートアップがファイナリストに選ばれてきました。
ABOUT THIS ARTICLE
SXSW Pitchの仕組み、カテゴリー、応募条件、日本から選ばれた過去の企業をまとめたReferenceです。応募カテゴリーや条件、締切は年度によって変更されるため、最新年度の情報は記事後半で更新しています。
SXSW Pitchとは?
SXSW Pitchは、SXSWで開催されるスタートアップ向けのピッチコンペティションです。
2009年に始まり、2027年で19年目。世界各地から応募されたスタートアップの中からファイナリストが選ばれ、Austinで投資家、業界関係者、メディア、オーディエンスを前に製品やサービスを発表します。
SXSWの公式発表では、これまでに700社以上が参加。過去の参加企業による資金調達とExitの総額は225億ドルを超えています。
SXSW PITCH
世界中から応募
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ファイナリスト選出
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Austinでライブピッチ
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審査員とのQ&A
スタートアップだけを集めた独立した展示会ではなく、テクノロジー、映画、音楽、メディア、ブランド、投資家などが同じ都市に集まるSXSWの中で開催されることも、このPitchの特徴です。
ステージでは、3分で事業を説明する
SXSW Pitchの本番は長いプレゼンテーションではありません。
現在のルールでは、ファイナリストに与えられるプレゼンテーション時間は3分。その後、ベンチャーキャピタリストやテクノロジー業界の専門家による6分間のQ&Aが続きます。
つまり、ステージで問われるのは英語で長く話せるかどうかだけではありません。短い時間で「何をつくっている会社なのか」「誰のどんな問題を解いているのか」「なぜ今この事業なのか」を伝え、その後の質問に答える構成になっています。

日本からもファイナリストが選ばれてきた
SXSW Pitchには、日本にルーツを持つ企業もこれまでファイナリストとして登壇しています。
2015|LYRIC SPEAKER / SIX
再生している音楽の歌詞をリアルタイムで表示する「Lyric Speaker」。当時のSXSW AcceleratorでEntertainment and Content Technologies部門のファイナリストとなり、Best Bootstrap Companyも受賞しました。
2019|STROLY
イラストマップと位置情報を組み合わせた地図プラットフォーム「Stroly」。2019年のEntertainment & Content部門でファイナリストに選出されました。同年にはSXSWの公式マップスポンサーとしても参加しています。
2022|ZEBRAND
企業のブランド構築を支援するプラットフォーム「ZeBrand」。2022年のEnterprise & Smart Data部門のファイナリストとして選出されました。
2022|I’MBESIDEYOU
オンラインコミュニケーションをAIで解析するI’mbesideyouは、2022年のFuture of Work部門のファイナリストに選出されました。
選ばれてきた企業を見ると、特定の技術分野だけに集中しているわけではありません。音楽体験、地図、ブランド、コミュニケーションなど、その時代に生まれつつある異なるサービスが同じPitchの舞台に上がっています。
2026年には、ロボットから触覚スポーツ中継まで並んだ
直近のSXSW Pitchを見ると、対象領域の広さがさらにわかります。
2026年には、危険環境で人の代わりに作業する遠隔ロボットアバターを開発するAlterEchoがIntelligent Systems, Robotics, & Multisensory Technology部門を受賞しました。
Entertainment, Media, Sports & Creator Content部門では、視覚障害のある人が試合の動きを触覚で体験できるスポーツ中継デバイスを開発するOneCourtが受賞しています。
同じ「スタートアップ」という括りの中に、ロボティクス、アクセシビリティ、バイオ、データ、エネルギー、エンターテインメントなどが並ぶ。SXSW Pitchを見ると、その年にどんな技術や事業が新しい問題設定として現れているのかも見えてきます。
2027年は8カテゴリー
SXSW Pitchのカテゴリーは固定ではなく、社会やテクノロジーの変化に合わせて再編されています。2027年は次の8カテゴリーです。
- Emerging & Frontier Technologies
新しい科学・工学的技術や、これまでになかった能力・市場を生み出す技術 - Entertainment, Media, Sports & Digital Platforms
エンターテインメント、メディア、スポーツ、デジタルプラットフォーム - Life Sciences, Healthcare & AssistiveTech
ライフサイエンス、医療、ヘルスケア、支援技術 - Mobility, Manufacturing & Industrial Systems
モビリティ、製造、産業システム - SaaS, Enterprise & Developer Platforms
SaaS、企業向け技術、開発者プラットフォーム - Smart Data, Security & FinTech
データ、セキュリティ、FinTech - Student Startups
学生によるスタートアップ - Sustainability, Energy & AgTech
サステナビリティ、エネルギー、AgTech
2025年版のカテゴリーを掲載していた旧記事からは構成が大きく変わっています。自社がどこに当てはまるかを考える際は、毎年その年のカテゴリーを確認するのが確実です。
どんなスタートアップが応募できる?
2027年の応募条件では、企業の所在地や創業者の国籍による限定はありません。日本からも応募できます。
主な条件は次の通りです。
- 応募する製品・サービスが2024年1月1日以降に構想されたものであること
- 1社につき応募できる製品・サービスは1つ
- 創業者が会社の所有権の一部を保持していること
- 合計資金調達額が1,000万ドルを超えていないこと
- 法的に登録され、該当する法律・規制に準拠していること
- 製品・サービスがSXSW Pitchのいずれかのカテゴリーに該当すること
条件は年度ごとに更新される可能性があります。応募時には必ずその年のSXSW公式応募ページで最終確認してください。
ファイナリストに選ばれると、Austinで何が起きる?
応募後、審査を経てファイナリストが決まります。
ファイナリストになると、SXSW本番でライブピッチを行います。2027年の規約では、選出された企業にはSXSW 2027のPlatinum Badgeが2枚提供されます。
ただし、Pitchはステージ上の数分間だけで完結するものではありません。会場には投資家、企業、メディア、他のスタートアップ、異なる産業の参加者が集まっています。
SXSW Japanがこれまでファイナリストや参加者を取材してきても、話に出てくるのは本番のピッチだけではなく、その前後に起きた出会いや会話です。
ON THE STAGE / AROUND THE STAGE
3分のピッチは短い。
でも、その3分を入口にしてSXSWのコミュニティへ入っていく。
SXSW Pitch 2027の応募情報
CURRENT|SXSW PITCH 2027
開催:2027年3月16日〜17日 / Austin, Texas
Early Bird Entry:2026年6月23日〜9月13日 / $105 ※終了
Regular Entry:2026年9月14日〜11月13日 / $225
最終応募締切:2026年11月13日
現在はRegular Entry期間です。応募条件やカテゴリーを確認した上で、SXSW公式フォームからエントリーします。
SXSW Japanでは、日本からSXSWへ応募するスタートアップ向けの情報や、過去のファイナリストの経験も継続して紹介しています。



